傷だらけの山河 (1964)

石川達三の同名小説を「青べか物語」の新藤兼人が脚色、山村聡主演で山本薩夫が監督した社会ドラマ。撮影は小林節夫。

監督:山本薩夫
出演:山村聡、若尾文子、成瀬幸子、北原義郎、高橋幸治、穂高のり子、船越英二、川崎敬三

傷だらけの山河 (1964)のストーリー

有馬勝平(山村聡)は、電鉄、バスなどの交通事業の他、数種の会社をもつ大事業家だ。勝平の旺盛な欲望は女性関係にも現れ、妻藤子(成瀬幸子)との間に二男二女をもちながら、片山民子と横田かね子の間にも、大学に通う息子がいた。藤子との政略結婚から、端を発した勝平の事業欲は、人の犠牲を意に介しない非情さのうえに立っていた。勝平の第四の女福村光子(若尾文子)は、パリに留学を夢みる貧乏画家の、酒井吉春(川崎敬三)との生活に疲れていたところを、夫吉春をパリに留学させる条件で、勝平の女となった。光子と勝平の生活は愛欲にただれたものだった。

そんなある日、勝平の次男秋彦(高橋幸治)は、光子を知り、いつか好意をもった。が、勝平との関係を知ると秋彦は生来の内向性を深めた。一方、勝平の事業欲は、ライバル香月との路線争いに勝ち、沿線に「西北学院」を建てた。しかし、勝平の人間関係は、崩壊しかかっていた。横田平次郎、片山竹雄の二人は、勝平との不義な出生と、彼の拝金主義に対する反感から、彼らの母親を動かし、勝平との絆を断ったのだ。光子とも縁を切った勝平は、第五の女小桃(滝瑛子)を手に入れた。永年交通事業発展の功で“勲章”をもらった、その祝賀パーティーの最中、人生の頂点にある勝平の耳に、西北学院に秋彦が放火したというニュースが伝わった。精神病院にいる秋彦の父に対する反抗であった。暗い空気につつまれる有馬邸、妻藤子も、秋彦と一緒に暮すと家を出たあと、勝平は、一人、「信念に生きるのみ」と呟き車を走らせた。

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